hitorigusa’s blog

漢字で書くと『一人草』好きなことを書く。書き流す。

「忖度とは優しさなのか」というレポート

こんにちは。昨日大学のオリエンテーションが思いの外早く終わったので「ブックスマート」という映画を見てきたんです。鑑賞直後は普通に面白いくらいの感覚でしたが改めて思い出すとめちゃくちゃ面白い映画でした。

 

 

さて、今回は言葉にすると難しい授業のレポートをここに残します。哲学の基礎の基礎や物事の考え方の授業という感じのものです。授業に関する内容で論じろということだったので忖度について書きました。ということでよろしくお願いしまーす。

 

忖度とは優しさなのか

私は、忖度が生んだ「和菓子屋」を行った授業が印象に残っている。議論の中で出た意見は非常に参考になった。自分自身が今まで忖度について深く考えたことがなかったこともあるだろう。よく考えると世の中忖度が多くあるように感じる。新型コロナウイルスによるWHOと中国との関係など大きなニュースになり、ドラマや時代劇ではよく悪役が自分の利益のため忖度をしている。また、忖度とは言わないまでも気を利かす、思いを汲むといった同じニュアンスだが優しい言葉も存在する。そこで忖度とは優しさなのか、私たちが優しさだと思っている行為は忖度なのかについて問いていく。

忖度が生んだ「和菓子屋」は道徳の教科書の中身についての内容だった。私は中学時代から道徳の授業について不満な点があった。それは内容が押しつけがましい点である。いいことをすると気持ちいいと無条件で決めつけることが腑に落ちなかった。大まかな正解を出されてそこに向かうように答えていた私は教科書や周りの人に忖度していたのだ。そんなとき北野武『新しい道徳「いいことをすると気持ちいい」のはなぜか』幻冬舎2015に出会った。この本の1章5節『元気なおじいさん』にはこのような内容が記載されていた。北野1)元気なおじいさんが小学校に遊びに来た。おじいさんが来たため生徒たちは自分たちの席を譲る。その後もおじいさんを気遣いふかふかの布団まで用意する。最終的には一週間もいないうちに元気だったおじいさんは寝たきりになってしまう。このような内容だ。果たしてこれは優しさだろうか。この話をもとに考えれば道徳とは究極的には忖度になる。忖度とは権力などの顔色を窺うだけではなく優しさからも生まれてしまうのだ。善い行いは純粋な善に変わりないが相手の本心を考えないのは優しさではない。本当の優しさとは思いやりである。もしこの生徒たちが思いやりを持っておじいさんの意見を聞いたうえで物事を進めれば寝たきりにはならないはずだ。保身に走り自身を正当化しようとすることが忖度ならば老人だからこれが必要だろうと考えることはある意味保身であり小さな忖度である。しかし、これらは拡大解釈とも言える。つまりそれだけ忖度という言葉は曖昧な表現として使われている。忖度とは本来、相手の気持ちを推し量るという意味である。思いやりと対をなすほどの意味の乖離はないはずだ。この場合、忖度がダメなら思いやりもほんとに良いものか議論しなければならない。これは今まで森友学園問題などの影響力の大きな社会問題で間違った使われ方をしてきたためだと推測する。

忖度は優しくないという考えもある。西村博之は著書でこのように書いている。2)「本音で言う。そして、ちゃんと謝る」この一言は忖度の否定と取れる文である。しかし、不思議なことにどこか思いやりと優しさを感じる。ここには謝るという言葉が書いてある。つまり本音を言った結果間違う可能性があるということだ。忖度とは保身と自己の正当化に一生懸命で謝罪したくない、嫌われたくないないと思ったから行った行為である。それを隠す言葉として忖度が使われてきた。これは卑怯なやり口である。先人が言葉をずる賢く使ってきたものだ。私自身気遣いや忖度を受けたり行ったりするが本来はこのようにあるべきではないだろうか。

忖度という言葉が存在する以上このような議論は尽きない。どうしても自分を守りたいと思い忖度することもあるだろう。私自身もこれからそうしてしまうかもしれない。現代的な解釈からすれば忖度を優しさととらえるべきではない。拡大解釈されてきたこの言葉の意味を再確認し適切に使えるようにすれば気遣いや思いやりと同じように使われてもよいはずだ。そして私たちが優しさだと思い忖度する行為は相手のためにならない。本当の優しさとは本音で語ることにある。包み隠さず自分の意見を言うことが相手のためになるのだ。

 

文末脚注

 

補足(感想、今の考え、反省点など)

今回はずるい結論にしてしまって。途中の「忖度」は先人が不適切な使い方をしてきたから現代では優しさではないねという結論にしてしまいました。決して道徳教育を否定しているわけではありません。

あと、ひろゆきのやり方は今の僕にはできませんww

もうちょっと感想とか書こうと思いましたが今日はここまでにします。今後こちらを更新したり別記事にしたりしようかなぁと思います。

 

では。

 


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